2012年12月24日

『海街daiary5 群青』

海街diary(うみまちダイアリー)5 群青 (flowers コミックス)
海街diary(うみまちダイアリー)5 群青 (flowers コミックス)


『海街daiary5 群青』吉田秋生/著。小学館。

「すずちゃんと暮らすことを決めた時から君たちにはすずちゃんを守る責任がある
もし その人がすずちゃんを傷つけるようなら全力ですずちゃんを守らなきゃって」


 異母妹を鎌倉に住む三姉妹が引き取って、そこでの何気なく過ぎて行く、けれども決して戻らない大切な日常を描くシリーズ第五巻。

 「自分は他人と違う、他人には分からない」と壁を作るのは自分であることが、全編を通して描かれていました。
 究極のところはその人の気持ちはその人にしか分からないけれど、分かったと傲慢にならずに、その人に寄り添うこと、それだけなら出来ると。厳しいようですが、骨折した人の代わりに骨折することは出来ない。けれども寄り添って支えることは出来る。治るように手助けをすることは出来る。

 そして、血の繋がりがなくても「家族」と呼べる関係になれること。
 登場人物たち、特に幸姉が、大人も自分の子どもの頃の痛みを抱えながらも、子どもは「子ども」のままでいさせようという努力をしている姿勢がとても尊く、気高いものに見えました。

「あん時の桜ほんまにきれいやったってな
もうじき死ぬてわかっとっても
やっぱり桜はきれいやった
きれいなもんはちゃんときれいに思えたことがうれしいて」


 その時の自分の精神や健康の状態に関わらず、きれいなものはきれいだと思えるこころの健全さ。
 その強さがうらやましくもあり、見事でもあります。
 そして、それを描いている作者に拍手。
 written by 桔梗 at 02:56 | Comment(0) | 絵モノ:漫画 | 更新情報をチェックする

2012年12月04日

fc2拍手ボタンの位置を変更してみよう。

 もう、LOVELOGが、というよりブログという形態が古く、このままやっている意味があるのだろうかと思われる今日この頃。
 ツイッターもやってるけれど、アタマを冷やして長文打つにはやっぱりブログはいいなあと思う。ので、ブログは続けますよ。
 ただ、TrackBackとかはいらんと思うので、TrackBackは削り、そっちにfc2拍手ボタンを入れてみようというカスタマイズ。
 もう、はっきりきっぱり言って誰が見てんだかわからないので、この記事を書く必要性があるのかどうかわからない。
 まあ、見たい人だけ行ってみよう。
 ちなみに、ワタシのHTMLは旧バージョンです。
 一応、新バージョンで説明しますが、分からなければコメント下さい。


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 written by 桔梗 at 11:01 | Comment(0) | 雑記:ブログカスタマイズ | 更新情報をチェックする

2012年11月30日

拍手にお返事

 拍手ボタンを押してくださる方、どうもありがとうございます。
 コミュニケーションが取れたらいいなと思ってましたが、押してくださるだけで頑張って更新しようという気を起こさせてくれるものなのですね。

 コメント頂いておりますのでお返事です。

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 written by 桔梗 at 08:00 | Comment(0) | 雑記:拍手お礼 | 更新情報をチェックする

2012年11月29日

『ひさの星』

ひさの星 (創作絵本 7)
ひさの星 (創作絵本 7)

『ひさの星』斎藤隆介/作。岩崎ちひろ/絵。岩崎書店。

むらのしゅうは のちのち、その星を みるたんびに、
「ああ、こんやも ひさの星が でてる」
と いいおうたげな。


 秋田の方言で語られる、無口で控えめな女の子が村の子どもを救って自分が川に流され行方不明になる話。←身も蓋もない。

 誰かのためにそっと行動して、言い訳も自慢も一切しない、そんな美徳を褒め称えた絵本……、なんですが。
 そういう子だと村の人もわかっていながらやっぱり何かあったらすぐ疑ってしまうオトナの汚さも同時に描いているなあと。
 親ぐらい自分の子どもを信じようよ。とか突っ込んでみたり。

 ちなみに、わたしはこうして死ぬのが美徳と母に洗脳されて育ったので、高校の時、母の親友の夫に腎臓を提供してもいいと言ったら怒られた。母の無意識の洗脳のレベルがよく分からなかった出来事だった。ちょー余談ですね。

 我が子に正しさを貫いて死ねとか言う気は一切ないです。自分を大事にして欲しいと思います。自分を大事に出来ない人は他人をも大事に出来ないので、まずは自分を、と思います。
 そういう意味では、ひさにも自分をもっと大事にして欲しかったな、とも思うのです。
 残された親にとってはかけがえのない命だったと思うのですよ。子どもと親と村の人、それぞれの気持ちを考えたら、やっぱり、もっと自分を大事に生きてくれと思う。

 誰かのために生きることは大事だけれど、自分を大事に生きることも大事だと思う。
 written by 桔梗 at 15:09 | Comment(0) | 絵モノ:絵本 | 更新情報をチェックする

2012年11月27日

『娚の一生』全四巻

娚の一生 1 (フラワーコミックスアルファ)
娚の一生 1 (フラワーコミックスアルファ)
娚の一生 2 (フラワーコミックスアルファ)
娚の一生 2 (フラワーコミックスアルファ)
娚の一生 3 (フラワーコミックス)
娚の一生 3 (フラワーコミックス)
娚の一生 4 結婚 (フラワーコミックス)
娚の一生 4 結婚 (フラワーコミックス)


『娚の一生』全四巻。西 炯子/著。小学館。

「君はひとりでいきていったらええ
ぼくもひとりで生きていく
ふたりして
ひとりで生きていこや……」


 原子力発電も手がける大手電機メーカーにお勤めの三十代半ばの女性(在宅勤務開始)と、五十代の大学教授のラブストーリー。

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 written by 桔梗 at 00:06 | Comment(0) | 絵モノ:漫画 | 更新情報をチェックする

2012年11月14日

『セクター7』

セクター7
セクター7

『セクター7』デイヴィッド・ウィーズナー/著。BL出版。

 字のない絵本です。
 読み聞かせるにはかなりの豪腕が必要だと個人的に思っています。

 雲にも届く摩天楼に学校の見学?で遊びにきた少年が展望台で雲と友達になり、セクター7と呼ばれる雲の製造工場に連れていってもらいます。
 そこでは管理人たちが設計図通りの雲になるように指示を出していました。でも雲たちは単純な形に飽き飽きとしており、少年に新しい設計図を求めます。
 絵が得意な少年は斬新な形の設計図を書き、そしてもっともっとと求める雲たちに答えて、得意な魚や蛸といった海の生き物たちの絵を描いて見せます。
 その通りに変身した雲たちがセクター7にあふれ、少年と友人の雲は管理人たちに見つかってしまい、もとの摩天楼に連れ戻されます。でもそこに友人の雲も追いかけてきていて、今度は少年の世界についていきます。
 帰りのバスから見上げた空には、少年が描いた魚の雲が多数浮かんでおり、セクター7ではそれが世界中に広がったことが分かります。町の人も猫も川に住む魚もびっくりして空を見上げています。
 そうして、自室のベッドの上の空間で雲に抱かれて気持ちよさそうに眠る少年の絵で最後は終わります。

 騙し絵というか、そういう不思議な絵本で有名な字のない絵本を書く方ですが、これを読み聞かせるのは、本当に大人の想像力とそれを分かりやすく説明する語彙力とが必要だと思います。
 字のない絵本は絵だけで勝負の難しい世界ですが、読む側もかなりのスキルが必要だと思いました。
 大人が流し読みする分には何の問題もありませんが、読み聞かせにする方は是非、チャレンジして欲しい絵本だと思います。
 自分の日本語能力が問われます……。
 written by 桔梗 at 22:21 | Comment(0) | 絵モノ:絵本 | 更新情報をチェックする

2012年11月10日

『身代わり伯爵の婚前旅行 Iすれ違いの蜜月』

身代わり伯爵の婚前旅行 Iすれ違いの蜜月 (角川ビーンズ文庫)
身代わり伯爵の婚前旅行  Iすれ違いの蜜月 (角川ビーンズ文庫)

『身代わり伯爵の婚前旅行 Iすれ違いの蜜月』清家未森/著。角川ビーンズ文庫。

「……なんだか、あのお二人が仲良しでいらっしゃるかぎり、すべては平和なような気がしてきました」


 このシルフレイアの言葉が表すとおり、少女マンガや少女向けラノベはなにがあろうと、主人公カップルがいちゃいちゃしてれば、全て万事オッケーなんだよ……を見事に体現した本(誉めてます)。

 大陸的にもシアランの火器が盗まれてるし、ゲイルを追っていったユーシスは戻らないし、身内に色々企みが明かされてないし、困ったことが山積みですが、ミレーユがどこまでも暗く公人的に対処するリヒャルトをひっぱりあげてくれてるし、ミレーユの婚姻もジュリアママに認めてもらったしで、色々すったもんだはあったけれど、第一の目標であるアルテマリス王宮に着いたからまあいっか!って感じで終わってます。


「……そしたらまた、ジャックって呼んでくれるかな」


 と言うのが非常に個人的にツボでした。
 イゼルス、団長も大公殿下も信頼してんのに変な人で、それを許せるあなたの心の広さに乾杯だよ。
 まあ、やりがいのある、おもしろそうな職場ではあるけれどね。

 そんなんで、ようやく一年放置したラノベを一冊ようやく消化しました。
 written by 桔梗 at 16:24 | Comment(4) | 小説:ライトノベル | 更新情報をチェックする

2012年11月05日

『秘密』11巻12巻

『秘密』11巻12巻

秘密 -トップ・シークレット- 11 (ジェッツコミックス)
秘密 -トップ・シークレット- 11 (ジェッツコミックス)
秘密 -トップ・シークレット- 12 (ジェッツコミックス)
秘密 -トップ・シークレット- 12 (ジェッツコミックス)


『秘密』清水玲子/著。白泉社。

「生きている限り
この世に生きている限り
守るべきものは
出来てしまう

全部
なくしてもまた

全部
無くした筈なのに
また

大切なもの
失いたくないものは
生まれてくる
生きているかぎり

おなかが減るように
しあわせも
感じるようになる

欲しくなくても
出来て
しまうんです

人に見られたくない

そして 秘密も」


 『秘密』はこれで終了らしいですが、雑誌のほうでスピンオフで新シリーズを初めているようです。第九が出来たばかりの頃の話だそうですが。

 薪さんの家族やなにやら明らかになるのかなと思っていましたが、薪さんはニュートラルで、最後まで細かいことは明らかになりませんでした。
 最後まで人間の全てが悪のみで出来ている人はおらず、必ずどこかに善の部分があって、そこを信じたいと思っていました。どれだけ人間の汚い面を見ても、どこかで隠したい「秘密」というか優しさを持っていると、第九にいるからこそ、信じていたのかもしれません。
 そういう染まり切らない、染まり切れない、人間の優しさの代表というか、そこに読者や作者の視点を重ねたかったのかな……とわたしは思いました。そこに、作者の祈りがあったのかな、と。

 わたしがこういう猟期的な話を買って読むというのは大変珍しいし、絵柄もちょっと苦手な方なのですが、それでもこの「祈り」の部分を読みたかったというか、最後まで信じていたから読めたのかな……と思いました。

 血がつながらなくても、戸籍関係が無くても、「家族」にはなれるし、離れていても思い合える大切な存在が出来る、というのを作者は『秘密』を通して書きたかったのかな、と。
 秘密=大切なもの・幸せなもの、という風に書かれていて、安心しました。
 後ろ暗いことだけが秘密じゃない。
 幸せなことも「秘密」なことだったのだ。今、この状況で大切にしたい、そして手放してしまったとの自覚があるからこそ「秘密」にしたいことだったのだ。

 最初はすごく後味が悪くて気持ち悪くて、どうしようとためらいながら読んでいましたが、最後まで読めて良かったです。
 スピンオフも読もうと思います。
 written by 桔梗 at 13:47 | Comment(0) | 絵モノ:漫画 | 更新情報をチェックする

2012年10月26日

『まつり』

まつり (講談社の創作絵本)
まつり (講談社の創作絵本)

 『まつり』いせひでこ/著。講談社。

 『大きな木のような人』の続編です。
 さえらが日本に帰ってきて、手紙のやり取りをしながら、秋祭りに『先生』が来るのを待っています。
 そこで日本の鎮守祭りのさまざまな種類の『木』を使った山車などの描写がなされるのですが、西岡常一氏の言葉が思い出されてなりませんでした。

塔組みは、木組み
木組みは、木のくせ組み
木のくせ組みは、人組み
人組みは、人の心組み


 いせひでこ氏は本当に木・自然・文化・手仕事といったものが好きな方なのだなあと思いました。
 前と同様、水彩絵の具のほんわり浮かび上がる感じが祭りの提灯にマッチしていて良かったとわたしは思いました。

 しかし、鎮守祭りとか、本当に地縁がないとわからない世界だなあ。
 高度経済成長期の文化住宅育ちには、なんとなーく伝統の大事さとかが理解出来ない頃もありました。地域の人しか参加出来ないのは、氏子として正しいのですが、さみしくもあるものです。
 written by 桔梗 at 17:47 | Comment(0) | 絵モノ:絵本 | 更新情報をチェックする

2012年10月25日

『ちょっとだけ』

ちょっとだけ (こどものとも絵本)
ちょっとだけ (こどものとも絵本)

『ちょっとだけ』瀧村 有子/著。 鈴木 永子/絵。

「いっぱいだっこしたいんですけど、いいですか?」


 おうちに赤ちゃんが来て、おねえちゃんになったなっちゃん。
 なんでも、「ちょっとだけ」なら自分で出来ます。牛乳も「ちょっとだけ」注げます。お母さんと手を繋ぎたいけれど、手が空いてないからスカートを「ちょっとだけ」握ります。ボタンも全部はとめられないけれど、「ちょっとだけ」ならとめられます。
 ちょっとだけ。ちょっとだけ。
 それでも、眠くて眠くて我慢ができなくなった時、とうとうお母さんに頼みます。
 「“ちょっとだけ”でいいからだっこして」

 その時のお母さんのお返事が冒頭のいっぱいの抱っこ。

 本屋でホロリと涙がこぼれました。

 お母さん、大事な大事なところを見逃さないで受けとめてくれてありがとう。
 written by 桔梗 at 12:50 | Comment(0) | 絵モノ:絵本 | 更新情報をチェックする