2012年09月07日

『大どろぼうホッツェンプロッツ』

大どろぼうホッツェンプロッツ (新・世界の子どもの本―ドイツの新しい童話 (1))
大どろぼうホッツェンプロッツ (新・世界の子どもの本―ドイツの新しい童話 (1))

『大どろぼうホッツェンプロッツ』プロイスラー/作。中村浩三/訳。

 七本の短刀を持った大どろぼう、ホッツェンプロッツとそれを捕まえる二人の少年、カスパールとゼッペル、そして巡査部長ディンペルモーザー氏の話。
 妖精あり魔法ありのファンタジー児童小説。

 二人の仲良しの少年がおばあさんの大事なコーヒー引きを盗んだどろぼうを捕まえる話です。
 妖精が悪い魔法使いに捕まってスズガエルにされていたり、呪いを解いてもらったお礼の、願い事がなんでも叶う指輪は三度しか使えなかったり、お約束をちりばめながら話は進んで行きます。

 ドイツの話なのですが、特有の文字を入れ替える言葉遊びや、シルクロードの終着点、コンスタンチノーブルの皇帝のこと(贅沢できる人の象徴として出てきます)、そしてジャガイモ料理のこと、なるほどねーと思いながら読みました。(魔法使いの家でカスパールはジャガイモを全部皮むきしてから出ていったのですが、ゼッペルが再び剥かされているのは誤訳なのか単なる間違いなんでしょうか)

 にしても、カスパール、二度と会えないかもしれない親友なのに、ゼッペルの帽子だからどうでもいいと思うのはちょっとひどいよ、と突っ込んでみたり、最後、指輪で取り寄せたコーヒー引きのオルゴールが二重奏になっているのに、ほほーと思ったり。

 子どもは一緒に冒険というか泥棒を捕まえるような気分で聞くようです。
 海外作品として、背後の文化的背景がわたしはおもしろく読みました。

 written by 桔梗 at 16:19 | Comment(0) | 小説:海外 | 更新情報をチェックする

2011年02月24日

『クラバート[KRABAT]』

クラバート
クラバート

『クラバート[KRABAT]』プロイスラー/作。中村浩三/訳。偕成社。

「 ふたりが家のほうへ向かって歩いていくあいだに、雪がふりはじめた。かるい、ふわふわの雪だった。雪は大きなふるいから落ちてくる粉のように、ふたりの上にふりかかった。」


 【うさぎの昼寝】の兎に角うさぎさまのお勧め。
 2002年の改訂第一刷を読みましたが、長い話ですが訳文がすごく読みやすくって、暗示もごちゃごちゃしてなくって、久々にストレートな物語をストレートに読んだという感じ。

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 written by 桔梗 at 09:16 | Comment(0) | 小説:海外 | 更新情報をチェックする

2010年12月28日

『九年目の魔法』

九年目の魔法 (創元推理文庫)
九年目の魔法 (創元推理文庫)
『九年目の魔法』ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/著。浅羽莢子/訳。創元推理文庫。

「幸せは物じゃないよ。お茶なんかと違って、出てって手に入れるわけにはいかない。物事をどう感じるかだもの」


 【likelife】のイケダトウマさまお勧めです。
 大学の休暇で祖母の家に戻ったある日、自分の記憶に足りないというか、二重になっているところがあるのを主人公ポーリーは見つける。
 ポーリーは典型的な機能不全家族に育てられ空想が得意で、見事に家族に見捨てられ、祖母と暮らしていた。けれでも、どこまでが本当でどこからが嘘だった?
 そこから現在までの記憶をたどって、リンさんを助けに行くお話。
 以下、自分のバカさ加減を披露します。

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 written by 桔梗 at 15:11 | Comment(0) | 小説:海外 | 更新情報をチェックする

2010年09月16日

『ぼくはめいたんてい』シリーズ

かぎはどこだ (ぼくはめいたんてい 5)
かぎはどこだ (ぼくはめいたんてい 5)
『ぼくはめいたんてい』シリーズ。マージョリー・W・シャーマット/文。マーク・シマント/絵。光吉夏弥/訳。大日本図書。

「ぼくはめいたんていのネートです。」


 子どもの頃読んでいた、『ぼくはめいたんてい』シリーズ。全巻読み直してみましたが、キャラクターが個性的なのにびっくり。
 そして、大人がまったく出てこず、子どもたちだけで事件を全て解決していくのに、またびっくり。
 これも長い息の作品ですが、ほほーんと思いました。
 子どもたちだけで世界が完結していて、大人が屁理屈こねて出てこないのが子どもたちにはいいのでしょうね。
 事件自体は大したことはないのですが、子どもの目線から見たら不思議なことばかりなのでしょう。
 わたしの子どもの心はどこにいったと思いつつ、こんな個性的な子たちの親の顔もみてみたいとか思ってしまう自分。きっと親も個性的なんでしょう。そして作者は心の広い人なんでしょう……。
 子どもの頃の本を読み返すと、様々な思いがよみがえったり、新しく思い起こされたり、大変面白いです。
 written by 桔梗 at 19:07 | Comment(0) | 小説:海外 | 更新情報をチェックする

2010年08月27日

『続 あしながおじさん』

あしながおじさん (続) (新潮文庫)
あしながおじさん (続) (新潮文庫)
『続 あしながおじさん』J・ウェブスター/著。松本恵子/訳。新潮文庫。

「 愛しの敵様
 この通り私はただ今あなたに対してとても親しみ深い気分になっておりますの。私が「マックレイ」とお呼びする時にはあなたを好きでない時、「敵」とお呼びする時は好きなのでございます。」

 『あしながおじさん』の続編ですが、あしながおじさんはほぼ出てきません。ジュディ・アボットの大学時代の友人、サリー・マクブライドがジュディの出た孤児院の院長に就任し、ジュディの夫より資金を得て孤児院を改革し、そして「愛しの敵」と結ばれるまでを、またしてもサリーの書簡によって描きます。ここまでくるともう、内容が日記です。

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 written by 桔梗 at 16:32 | Comment(0) | 小説:海外 | 更新情報をチェックする

2010年08月19日

『あしながおじさん』

あしながおじさん (新潮文庫)
あしながおじさん (新潮文庫)
『あしながおじさん』J・ウェブスター/著。松本恵子/訳。新潮文庫。

 「これはスティーブンソンの詩の一節ですが、とてもすてきな思想だと思います。

 この世にはかくも多くのもの溢れおれば
 われら王者の如くに幸福なるべきぞ

 本当にそうですわね。世の中には幸福が満ち溢れていて、自分の前にきたものを何でも受け入れる気にさえなれば、誰にでもまんべんなく行きわたるだけ、十分にあるのです。ただそれを受ける秘訣は素直な気持ちでいることです。」


 likelifeのイケダトウマさまのお勧め、『あしながおじさん』を読みました。世界名作劇場シリーズは大人になってからちらりとテレビアニメで見る機会があって、きちんと原作を読んでみないとだなあと思っていたので、今回読めて良かったです。

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 written by 桔梗 at 00:00 | Comment(0) | 小説:海外 | 更新情報をチェックする

2010年04月29日

『アブダラと空飛ぶ絨毯』

アブダラと空飛ぶ絨毯―ハウルの動く城〈2〉
アブダラと空飛ぶ絨毯―ハウルの動く城〈2〉

『ハウルの動く城2 アブダラと空飛ぶ絨毯』ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/著。西村醇子/訳。徳間書店。

 『likelife』のイケダトウマさまのお勧めで『ハウルの動く城2』を。

 「ハウルの動く城2」とついてはいますが、アブダラという男性が出てくるアラビアン・ナイト風のお話です。

 アブダラという男性が空飛ぶ絨毯を手に入れて、スルタンのお姫様に会い彼女が精霊にさらわれ、彼女を助けるために頑張るお話。

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 written by 桔梗 at 16:22 | Comment(4) | 小説:海外 | 更新情報をチェックする

2010年04月22日

『魔法使いハウルと火の悪魔』

魔法使いハウルと火の悪魔―ハウルの動く城〈1〉
魔法使いハウルと火の悪魔―ハウルの動く城〈1〉


『ハウルの動く城1 魔法使いハウルと火の悪魔』ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/著。西村醇子/訳。徳間書店。

 『likelife』のイケダトウマさまのお勧めで『ハウルの動く城』を。

 大ざっぱなストーリーは宮崎駿アニメと一緒です。

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 written by 桔梗 at 17:28 | Comment(2) | 小説:海外 | 更新情報をチェックする

2010年03月28日

『アーサー王と円卓の騎士 サトクリフ・オリジナル』

アーサー王と円卓の騎士―サトクリフ・オリジナル
アーサー王と円卓の騎士―サトクリフ・オリジナル

『アーサー王と円卓の騎士 サトクリフ・オリジナル』ローズマリ・サトクリフ/著。山本史郎/訳。原書房。

 ファンタジーの原点、アーサー王のお話。
 訳文がまだるっこしくって読みにくいですが、ファンタジーの古典なので童話的でそれなりに面白いです。

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 written by 桔梗 at 19:27 | Comment(0) | 小説:海外 | 更新情報をチェックする

2009年12月17日

『人間になりかけたライオン』

人間になりかけたライオン
人間になりかけたライオン

『人間になりかけたライオン』シェル・シルヴァスタイン/著。倉橋由美子/訳。講談社。

 人間に「なりかけた」ってのがポイントですね。あるライオンが人間になりかけたけれど、人間にはなれなかった。ライオンだったけれど、ライオンではなくなった。
 二つの世界を取り持つ気はないし、どちらの世界にも戻りたくない、中途半端なライオンがこれからどうするのか。
 はっきりとした答えを出さないまま話は終わります。

 これ、作者お得意テーマの「自分探し」のお話とも取れますね。

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 written by 桔梗 at 02:30 | Comment(0) | 小説:海外 | 更新情報をチェックする