2016年09月08日

『こどものとうひょう おとなのせんきょ』

こどものとうひょう おとなのせんきょ (かこさとし しゃかいの本)
こどものとうひょう おとなのせんきょ (かこさとし しゃかいの本)

『こどものとうひょう おとなのせんきょ』かこさとし/著。復刊ドットコム。
 1983年・童心社刊『かこさとし・しゃかいの本 こどものとうひょう おとなのせんきょ』を復刻したもの。
 復刊ドットコムの本がAmazonで売ってるよー。びっくり。

 この本は、最も大切な「民主主義の真髄」をとりもどしたいという願いでかいたものです。
「民主主義のヌケガラ」と後世から笑われないために、私たち自身が反省したいと思っています。
かこさとし


 古い本なので、絵は薄いというか、色数が少ないですし、字もいっぱい。
 少数でも良い意見はあるから、多数決だからって単純に切り捨てないで、良い意見は参考にして、みんなで使いやすい児童館にしていこうとする過程を描きます。
 多数決が正しいのではなく、そこまでの少数派の意見を真摯に聞き、熟考して物事を決められるか。
 多数決が民主主義なのではありません。
 大人も勘違いしているので、そこは子どもから変えていかないとなのかなと思います。

 ちなみに復刊ドットコムの会員なので、復刊ドットコムで買いましたが、Amazonにあると思わなかったです。この本の表紙の著作権をAmazonが持つという理由でAmazonのアフェリエイトを利用しているので、今回、この本の写真撮って載せたら著作権侵害かなーとかちょっと考えてたので、助かりました。
 Amazonのレビューの著作権はAmazonが持つことになっています。ちなみに引用を超える範囲での本文の紹介は著作権侵害です。
 この辺りの著作権の面倒さでアフェリエイト使用してます。

 たかだか広場の利用の仕方。それでも、その利用の仕方を決めるのに、多数決で決めたことが絶対ではない。民主主義で決めたことが、絶対なのではない。反対意見もまた民主主義の大切な要素です。
 民主主義ってなんだろうってもう一度、考えてみませんか?
posted by 桔梗 at 00:27| Comment(0) | 絵モノ:絵本 | 更新情報をチェックする

2016年08月14日

『幼い子は微笑む』

幼い子は微笑む (講談社の創作絵本)
幼い子は微笑む (講談社の創作絵本)

『幼い子は微笑む』 (講談社の創作絵本)長田弘/詩。いせひでこ/絵。講談社。

まだことばを知らないので、幼い子は微笑む。
微笑むことしか知らないので、幼い子は微笑む。
もう微笑むことをしない人たちを見て、
幼い子は微笑む。 なぜ、長じて、人は
質さなくなるのか。 たとえ幸福を失っても、
人生はなお微笑するに足るだろうかと。


 それでも人生にYESという、というフランクル氏ほどでもないですけど、笑って、微笑むに足る人生を送りたいと強く思っています。
 自分の生きてきた過去は変えられないけれど、ストーリーは変えられる。だから、ストーリーを変える努力をして、距離を取って、「わたしの関係ないところで幸せになってね」とまで言えるようになったのに、どうしてそっちから近づいてくるかなあ。
 微笑むに足る人生を送りたい。
 幼い子に、未来に向けて恥ずかしくない行動を。
 だから、選挙も行きます。

 『最初の質問』同様、長田弘氏といせひでこ氏のタッグで出来た絵本。長田氏はお亡くなりなったので、これが最後らしいです……。
 今回もいせひでこ氏の絵が、詩をさらに考えさせられるものとして語りかけてきます。
 戦争を知っている人が亡くなってゆきます。戦争を知っている人の言葉は重いです。
 人生はかなしみに満ちている。それでも、微笑んで生きていくことは出来ると信じたい。
 大人向けの絵本です。
 お子様も中学生くらいになったらぜひに。
posted by 桔梗 at 00:21| Comment(0) | 絵モノ:絵本 | 更新情報をチェックする

2014年01月20日

『たいせつなこと』

たいせつなこと (ほんやく絵本)
たいせつなこと (ほんやく絵本)

『たいせつなこと』マーガレット・ワイズ・ブラウン/作。レナード・ワイスガード/絵。うちだややこ/訳。フレーベル館。

「でも あなたに とって
たいせつなのは
あなたが
あなたで
あること」


 小学校六年生の卒業向けのブックトークでも使われるらしいです。
 「あなたがあなたであること。わたしがわたしであること」
 この概念は子どもには(大人もか)けっこう難しいらしく、相手を受け入れること、相手を認めることを繰り返し説いていかないと、理解できないようです。
 戦争はなぜダメなのか、平和ってどんなことなのか。
 自分の半径数メートルの事しか理解できない子たちに自分に置き換えさせて、何度も説明して考えさせて考えさせて、ようやく、想像力を羽ばたかせることが出来るようになるらしい。
 小学生というか子どもの想像力というか、心の成長とあわせて、いろいろなことを考えさせられた本でした。『へいわってどんなこと』という本と一緒に買っただけに、
「あなたが大切なんだよ。あなたがあなたであることを受け入れるよ。あなたがあなたでいてくれればそれでいいよ」
という、単純明快なメッセージを伝えること、そして、それを受け入れるにはこちらにも心の余裕がないと無理なこと。そして最終的には、「わたしはわたし、あなたはあなた」という道にたどり着く過程の壮大さをも思いました。
posted by 桔梗 at 00:00| Comment(0) | 絵モノ:絵本 | 更新情報をチェックする

2014年01月19日

『にいさん』

にいさん
にいさん

『にいさん』いせひでこ/著。偕成社。

「きみは手をふりながらいつも笑っていた
世界に何も怖れるものなんかないようだった」


 いせひでこ氏が描く、ゴッホとテオの兄弟の物語。
 わたしはゴッホに特に思い入れがなく、通り一遍の知識しか持たなかったのですが、兄弟の絆の深い人だったのだなと、わたしには理解できないくらい濃くて深い血の繋がりがあるから、というより、兄弟がライバルであり、同じ才能を持った二人だからこそ、近くにいたからこその愛憎劇があったのかな……と思いました。

 また、ゴッホの人生行路も知らなかったのですが、へーっと思わせることばかりで。

 透明水彩の絵が有名ないせひでこさんですが、アクリル? の厚塗りの絵で、これまでのイメージとは違う絵でした。ひまわりの花が枯れて種が実っている絵を水彩の方でもよく描かれていますが、ゴッホの影響だったのですね。宮沢賢治の影響が強いのには気がついていましたが。

「きみの魂をゆさぶるものは、つねにきみのすぐそばに、人生そのものの中にあった。
歩きながら、さすらいながら、きみはきみの真実をひろった。
きみはすてるものなど、何ももっていなかった。」


 わたしは血縁関係に問題があるので、どうしても、理解しきれない部分があるのですが、一番の理解者がいながらうまくいかない、そのつらさを想像しつつ、でも悩んだからこそのあの絵だったのだろうと、納得がいったような気もしました。
posted by 桔梗 at 20:24| Comment(0) | 絵モノ:絵本 | 更新情報をチェックする

2014年01月11日

『へいわってどんなこと』

へいわって どんなこと? (日・中・韓 平和絵本)
へいわって どんなこと? (日・中・韓 平和絵本)

『へいわってどんなこと』浜田桂子/著。童心社。

「へいわって ぼくが うまれて よかったって いうこと。
きみが うまれて よかったって いうこと。
そしてね、 きみと ぼくは ともだちに なれるって いうこと」


 日(童心社)・中(訳林出版社)・韓(四季節出版社)の三カ国共同出版全12冊のうちの一冊。
 へいわってどんなこと? と聞かれて、「戦争がない状態」とだけ答えるのならば、それは単なる対義語に過ぎないのです。
 他人を殺さず、殺されず、当たり前にご飯が食べられて、当たり前に好きな人に抱っこされて、朝までぐっすり眠り、好きなものを読み、好きなことを信じ、好きな歌を唄い、そして、あなたもわたしも幸せであること。
 生まれてくる命に、生まれてきてくれて良かったと感謝でき、祝福できること。その子の幸せな未来を想像できること。
 それが平和であること。

「いやなことは いやだって、ひとりでも いけんが いえる」


 同調圧力やスクールカーストに負けないで!
 そう祈りながら、ページを繰りました。
posted by 桔梗 at 16:58| Comment(0) | 絵モノ:絵本 | 更新情報をチェックする

2013年12月14日

『最初の質問』

最初の質問 (講談社の創作絵本)
最初の質問 (講談社の創作絵本)

『最初の質問』長田弘/著。いせひでこ/絵。講談社。

『時代は言葉をないがしろにしている──
あなたは言葉を信じていますか。』


 中学3年生の国語教科書にも掲載されている詩らしいです。
 長田弘氏は福島の出身。
 この本を、福島で教員として退職し「「未来=子どもたち」に「見ろ」というほどの世界を作ってやれなかった」と悔やむ恩師に贈りました。原発やら秘密保護法やらで『全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利』を守る社会をつくり上げることが出来なかったと、そう悔やむ恩師に。

 わたしは言葉の力を信じています。
 確かに今、成文法を順守しない、成文法なんてどうでもいいと明言する会長がいる会に(いつのまにか)所属させられていて、水素ほどの重さも持たない言葉の軽い人たちといっしょに仕事して、この犯罪者集団はどうにもならねーなーと呆れ返っているのですが。
 それでも、それはわたしの力が足りないだけで、『言葉』の力ではないと思っています。
 言葉を尽くしても伝わらないことがあるかもしれません。でもそれは言葉を尽くした人だけが言えることだと思います。

 言葉の力を、教えてくれたのは先生です。
 先生はわたしたちに、授業を真面目に受けないなら出て行けなんて一言も言わずに、自分のほうを向かせて、授業に集中させ、民主主義や平和の大切さや、憲法について語ってくれました。
 声を荒らげて怒鳴ることも、脅すこともしませんでした。
 先生は言葉ひとつで、40人の心をつかみ、そしてわたしたちに、わたしたちひとりひとりに向き合ってくれました。

 先生。今日隣にいる人と手を繋いで見上げた空は高くって、スカイツリーがよく見えました。
 枯れ葉がすっかり落ちて、柊が青々として赤い実を付けています。
 先生。わたしは相手がどんなに嘘つきでひどい人でも、わたし自身は誠実な人間でありたいと思い、そうあるように努力しています。
 世界では悲しこともたくさんあるけれど、それを防ぐために、それを押しとどめるために頑張っている人はこの世にたくさんいて、わたしもその一人になりたいと思っています。その人たちの力になりたいと思っています。
 

 先生、先生。ありがとう。
 先生の教えてくださったことは、花開いてきちんと実になりました。次の種にも受け継がれるように、できうる限りのことをします。
 先生、いつまでも元気でわたしたちを見ていてくださいね。
posted by 桔梗 at 11:54| Comment(0) | 絵モノ:絵本 | 更新情報をチェックする

2013年07月26日

『からすのそばやさん』『からすのてんぷらやさん』

からすのそばやさん (かこさとしおはなしのほん)
からすのそばやさん (かこさとしおはなしのほん)
からすのてんぷらやさん (かこさとしおはなしのほん)
からすのてんぷらやさん (かこさとしおはなしのほん)


『からすのそばやさん』『からすのてんぷらやさん』かこさとし/著。偕成社。

 四冊集めてトートバッグプレゼント。で、根性出して買いましたが……。
 結局は四兄弟が結婚してお店を開く話だった(身も蓋もない)。

 で、やっぱりわたくしは結婚する理由に納得がいかないのね。
 うーん。
 働き者で、健気で、そりゃお嫁やお婿に欲しいと思う人材(カラスか)だと思うのね。だからって結婚して継いでくれっていうか、それは違うと思うな……。
 でも、昔はそうやって生業を見つけて恋愛感情ではなく、ゆっくり家族としての情愛を育んでいくものだったのかもしれない。
 結婚も、とりあえずしてみるもんだったのかもしれない(昔も案外離婚率高いんですよ)。

 『からすのてんぷらやさん』のあとがきに、
 
「私は戦災も震災のとき、レモンさんのような方がたに何人も接して、平時では得られぬ貴重な教えをいただいてきました。そして人間の社会は、ただ大勢いるのではなく、たがいに助けあい、補いあって、「社会」がなりたつことを知りました。」

と、ありました。

 相手が大変なときに、優しく出来る人は素晴らしい。
 でも、相手も自分も大変なときに、相手も自分にも優しく出来る人はもっと素晴らしい。

 そういう人間になれたらいいとは思うけれど、難しいなあ。

 本当は、そこで恩を着せずにさらりと引けるのがカッコイイんじゃないかとか、いろいろ考えてしまったけれど、まあ、そうすると話は成り立たないよね。
 うん……。
 楽しかったかというと、わたしはそうとは言いがたいのですが、結婚観と職業観(生業ね)というものを考えさせれましたね、結局は。
 サラリーマンじゃあ、話しは出来ないもんなぁ……。
posted by 桔梗 at 03:25| Comment(0) | 絵モノ:絵本 | 更新情報をチェックする

2013年04月22日

『からすのおかしやさん』『からすのやおやさん』

からすのおかしやさん (かこさとしおはなしのほん)
からすのおかしやさん (かこさとしおはなしのほん)
からすのやおやさん (かこさとしおはなしのほん)
からすのやおやさん (かこさとしおはなしのほん)


『からすのおかしやさん』『からすのやおやさん』かこさとし/著。偕成社。

 かの有名な『からすのぱんやさん』の四兄弟が大人になり、それぞれがそれぞれの生きる道を見つけていく、からすのパンやさんその後編。
 やおやさんになるのはりんごさん。おかしやさんになるのはチョコくん。

 どっちもパートナーを見つけて結婚してしまうのですが、「お嫁さんにください」って、わたしが言われたら「猫の子じゃね〜しホイホイあげられっかー!!」と激怒すると思うのですが、この辺は昔の人の考え方だから仕方ないとしよう(でもカラスの子だからいいのかね?)。

 田舎のお菓子やさんは和菓子と洋菓子を同時に売っているのが不思議でしょうがなかったのですが、なんとなくこの本を読んで謎が解けた気がします。でも、和菓子と洋菓子は別もんであると思います。

 そんなこんなでいずみがもりはお店も増えて木も増えて、賑やかになっています。
 5月には『からすのそばやさん』と『からすのてんぷらやさん』も出るそうなので、買いたいと思います。四冊買うとトートバッグプレゼントだそうですよー。
posted by 桔梗 at 14:08| Comment(0) | 絵モノ:絵本 | 更新情報をチェックする

2013年04月11日

『チェロの木』

チェロの木
チェロの木

『チェロの木』いせひでこ/著。偕成社。

パブロさんのバッハは、
森をわたる風のようだったり、
川の流れのようだったり、
祈りのようだったりした。
ことばではあらわせないことを
思いおこさせるようだった。
そんなふうに歌うチェロを、
とうさんは工房の木の板からつくりだしたのだ。
曲をつくった人がいる。
それを演奏する人がいる。
その楽器をつくる人がいる。
星がめぐるように、
音楽が時間をこえてみんなをつなげていた。


 透明水彩で描かれる、親子三代に渡る森と音楽とそして受け継がれていく思いの絵本。

 これまでの絵本の中で一番ステキで好きでした。
 森を育てていた祖父、その木を使って弦楽器をつくる父、そして子どもの僕は森に見守られ、育てられ、父の作ったチェロの音に惹かれて、チェロを子どもに教える教師になる……。

 形を変えながらも確実に受け継がれていく絆と想い。それは人間だけのものではなくて、木や森の記憶でもあり、根源的な命の記憶でもある。それを表現することが、作者にとっては絵本であるけれど、作中に出てくる人々にとっては、樹を育てることであり、チェロを作ることであり、音楽を奏でることであり、そしてヒトを「教育」していくことである。

 森の表現も今までで一番と言っていいほど素晴らしかったと思いますし、話の内容も素敵でした。
 いせひでこ氏の絵本の中ではわたしの中ではこれがベストです。
 ぜひ一度手にとって見て欲しいと思います。
posted by 桔梗 at 10:15| Comment(0) | 絵モノ:絵本 | 更新情報をチェックする

2013年04月10日

『ながいよるのおつきさま』


ながいよるのおつきさま (講談社の翻訳絵本)
ながいよるのおつきさま (講談社の翻訳絵本)

『ながいよるのおつきさま』シンシア・ライラント/作。マーク・シーゲル/絵。渡辺葉/訳。

むかしむかし ひとびとは
そらに うかぶ おつきさまに なまえを つけた
1ねん 12かげつ
それぞれの つきに それぞれの まんげつ
ひとつひとつの まんげつに なまえを つけた


 ネイテイブ・アメリカの人々がつけた12の満月の名前を絵本にしたもの。
 全てが夜の満月で、夜の絵本です。
 旧暦に直しても日本とは少し合わないところもあるし、満月だけでなく、欠けていく月も楽しむ日本とは感性がちょっと違うところもありますが、そこがまた楽しく素敵な本でした。
 夜には静かになるのではなく、月の下でこそ活躍するモノ達があり、そしてそれは子どもには手に入れ難い神秘の扉だと思います。
 そこがうまく表現されているかな、伝わりにくいかな、とは思いますが、綺麗な本でした。
posted by 桔梗 at 10:33| Comment(0) | 絵モノ:絵本 | 更新情報をチェックする