2016年01月06日

『ぴんとこな』全16巻

ぴんとこな(16) (フラワーコミックス)
ぴんとこな(16) (フラワーコミックス)

『ぴんとこな』柏木あこ/著。小学館。

「例え舞台の上に世左衛門がいなくても
アンタの成長を見せて観客に父親の大きさを知らしめるということさ」


 古本屋に行ったらセットで割引してたので、買ってみたら読めました。
 しかし最近の紙業界の不振はすさまじいですね。新刊と中古が50円しか違わないってどんだけ「本」って読まれなくなっているのでしょうね。

 さて。歌舞伎のお話です。デッサンうまいですし、けっこう長くやってらっしゃる作家さんなのだと思います。トレスしか出来ないラノベの挿絵書きとは全然違うので、絵は存分に楽しめました。着物姿は描くのが本当に難しくデッサンできてないと、そして着物の構造わかってないと描けませんが、とても綺麗に描けていて、カラーも表紙もとても楽しめました。
 二人の歌舞伎役者、一人は御曹司、一人は門閥外の一般家庭の子の二人の成長物語なのですが、そこに掲載雑誌? の読者の気を引くためか女の子を入れて最初に恋物語にしたので、途中から恋物語が中途半端になってて、伏線回収しきれずに終わった感が。女の子が主人公で感情移入させようとしたんでしょうが、書き方によっては彼女はいらなかったなー。というか、もうちょっと最後、上手に使えたなーと。エッチもする必要ないし、跡継ぎの女将さん? 梨園の妻やってくなら、もっと違うなんかがあったはずで。そこを少女漫画なのに疎かにしたなー。っていうか、だから実は主人公は女の子じゃなくてオトコふたりで成長物語なんですよね。
 これは掲載雑誌を白○社あたりにして(でもそっちは狂言の話しやってるんだよねー)編集さん変えたらもっと良くなる話ではないかと思いました。絵の巧さとかいいのに、もったいない。

 わたしは実はこの血の流れで決まるサラブレットのようなこの日本芸能独特の世界が嫌いでして。それはわたしの血筋がどーしよーもねーという劣等感から来るものでもあるのですが、今の日本社会の「自分でどうしようもならないところ(出自)がダメなら這い上がれない」という、格差固定してきた社会の見本のような気もするからです。
 まあ、もちろん伝統芸能として受け継がれていくものとしてとても厳しい社会であるというのは分かってますし、所作を身に付けるには子どもの頃から徹底して教えこまねばならぬというのもわかるのですが。
 娯楽作品として十分楽しめましたし、まあ良かった、かな。
 でも、置く場所ないから古本屋にリバースだと思われる……。
 written by 桔梗 at 13:51 | Comment(0) | 絵モノ:漫画 | 更新情報をチェックする
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