2013年03月01日

『六蓮国物語 地下宮の太子』

六蓮国物語 地下宮の太子 (角川ビーンズ文庫)
六蓮国物語  地下宮の太子 (角川ビーンズ文庫)

『六蓮国物語 地下宮の太子』清家未森/著。角川ビーンズ文庫。

「あの頃の私はものを知らなかったのです。季隆様が世のため人助けのため、有事にそなえて仕事もせず体力を温存なさっていたことに気づきもせず……」
「怠けてたんだよ! 単純にな!」


 斜め上に行く主人公を書かせたら天下一品な清家未森作品。
 今回も、尊敬する翠玉の神使い様が季隆だと分かった結蓮は逃げまわってしまったり、異様に崇拝してしまったり、と前半は揺れ動く乙女心と恋心とを楽しめます。
 あとがきにもあるように、今作では太子が掘り下げられて、太子の想いというものが明らかになります。

「……もっと大きな意味で大切にしたいと思っています」



 季隆の方では恋心がしっかりと成長し、深い愛情にと変わっていっています。
 「生贄」として捧げられそうな結蓮。それに対し、以前、発言していたような行動を季隆は取れるのか。
 黒幕は誰なのか。
 崇怜とその副官はどこまで何を企んでいるのか。封印省の長官は?
 乞うご期待、というところで今回は終わっています。

 今回、とても丁寧に書かれていた分、前半三冊が展開を急ぎすぎ、詰め込みすぎていた感が拭えません。
 そして怒涛の三ヶ月連続刊行。作家さん大丈夫ですか。
 編集部の考えていることがわからない、というのが正直なところですが、続きがとても楽しみです。
 収まる所に収まるんだろうな、という安心感とそれを期待出来る作品になっていはいますが……。
 うーん。どうも前半が急ぎすぎていた分、それに反してスピードが落ちた感と、最初からこれくらい丁寧に冊数かけて書いてくれればいいのに、そして、内容が薄いかしらという思いが抑えきれません。

 編集部としては、身代わりを引き伸ばせるだけ引き伸ばしている感がやはりあるし、それに対してこっちは結末を急げ! って書いてたものを、案外人気が出たから丁寧に書いてもいいよ? って感じなのでしょうか。

 まあ、アタマを使わずに読めるので、大変楽しく読ませて頂きました。
 『翼の帰る処』が放置されたまま新刊出たとか、他にも年単位で寝かせてるラノベがあるとか、新聞をそもそも12月分を捨て、2月分が3週間残ってるとか、色々現実を忘れて久しぶりに活字が読めたので、そういう意味でも大変有り難い本でした。
 次の巻も予約してあるので読みたいと思います。

 トコロで。
 イラストに関してですが。
 ウィンクして星が飛ぶって……。
 なんて昭和な表現なんでしょうって気になったのはワタシだけですか……。
 そうなんですか。
 あまりの古臭さに撃沈したんですが……。
 written by 桔梗 at 11:58 | Comment(0) | 小説:ライトノベル | 更新情報をチェックする
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